に注目が集まった

 中国日本商会は20日、「中国経済と日本企業2016年白書」を発表した。在中国日系企業8894社を対象とした調査の結果を見ると、日本企業の対中戦略がターニングポイントを迎えており、日本の対中投資の重点に密かに変化が生じていることが分かる。

全体的に見ると、日本の2015年の対中投資は過去数年の減少傾向を引き継いだが、下げ幅はやや縮小した。累計金額を見ると、日本は依然として対中投資額が最多の国だ。未来の対中投資の意向を見ると、投資拡大を希望すると回答する企業は減少傾向を示しており、特にコスト探求型投資(輸出型投資)の減少傾向は明らかだが、市場探求型投資(国内販売型投資)は増加を示した。また投資の現状維持を希望する企業も増え、第3国への移転を希望するとした企業は1.7%で2011年と同水準になった。投資分野を見ると、製造業以外への投資意向が強かった。製造業では、食品、省エネ、環境保護産業への投資に注目が集まった。サービス業では、卸売・小売、物流などの分野への投資拡大の意向が見られた。

 日本の対中投資の減少は、世界の経済情勢、中国の産業構造のモデルチェンジ・アップグレードなどと関連していることが分かる。世界の経済成長の原動力が乏しく、国際市場の需要が疲弊し、中国の輸出が大幅に減少し、世界経済の回復の先行きが不透明となっている。この状況下、いかなる企業も盲目的に投資を拡大できず、日本企業も例外ではない。「新常態」に入った中国経済は、モデルチェンジ・アップグレードの最中だ。人件費が高騰し、コスト探求型投資が維持できなくなっている。中国に進出した日本企業は必然的に投資を縮小し、さらには第3国に移転する。製造業以外の投資意向の拡大は、中国がサービス業の発展に力を入れ、中国の経済構造のモデルチェンジ・アップグレードを行っていることと関連している。

全体的に見て、中国の巨大な市場、整ったインフラなどは、日本企業にとって依然として魅力的だ。そのため市場探求型投資が拡大もしくは現状維持を目指し、新たなチャンスを待ちわびる現状となっている。日本企業は依然として中国市場を十分に重視しており、機が熟せば、対中投資は回復・成長することだろう。
PR